“うつ病”の治療は、抗うつ薬を使って治療します。抗うつ薬は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンのバランスを調整して、正常に働くように作用します。この治療によって、こころとからだに意欲や活力がスムーズに伝達されるようになります。
抗うつ薬の種類
| SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬) |
現在世界中で使われている抗うつ薬です。セロトニントランスポーターに作用し、神経細胞と神経細胞の間でセロトニンの量を調整するように働きます。不安を抑える作用が強いので、抑うつ状態のほか、不安が強い患者さんにも用いられます。副作用は比較的少ないといわれていますが、飲み始めに、吐き気やむかつき、便秘、下痢などの消化器系の副作用があらわれることがあります。これらの症状の多くは1〜2週間で自然に消えますが、気になるときは医師に相談してください。 |
| SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬) |
2000年に使用が認められた抗うつ薬で脳内神経伝達物質であるセロトニンとノルアドレナリンの両方の調整を行うために、セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害する作用があります。 |
| 三環系抗うつ薬 |
“うつ病”を改善する効果をもつくすりですが、一方でセロトニン以外のアセチルコリンという神経伝達物質の働きを抑制してしまうため、抗コリン作用という便秘、排尿困難、口が渇くなどの副作用があらわれることがあります。 |
| 四環系抗うつ薬 |
三環系抗うつ薬の副作用である抗コリン作用を少なくすることを目的として開発されたくすりです。 |
くすりを服用するときの注意
抗うつ薬は、その効き目や副作用に個人差があります。そのため医師と相談しながら、くすりの効果と副作用のバランスを考えながら治療していくことが大切です。
くすりの副作用を必要以上に怖がったり、服用を忘れてくすりを飲まなかったりすると治療効果が思うように出ず、症状が長引くことがあります。医師の指示に従って、毎日きちんと飲むことが必要です。
抗うつ薬は、即効性のあるくすりではありません。効果があらわれるまでに2〜4週間かかります。くすりを服用してもすぐに症状が軽くならないからといってあせる必要はありませんし、勝手に服用をやめてもいけません。
症状がよくなっているのは、くすりによってコントロールされているためです。勝手にくすりの量を減らしたり、やめたりすると病気がぶり返す恐れがあります。くすりをずっと飲んでいるとくせになるのではないかと不安を感じる方も多いようですが、抗うつ薬は依存性のあるくすりではありませんから、医師と相談しながら適切な服用を心がけてください。
抗うつ薬での治療では、少量から始め様子をみながら少しずつふやしていくのが一般的な方法です。くすりの量がふえたからといって病気が重くなっているのではありません。「くすりをたくさん飲むのは怖いから」と少量のくすりを飲み続けていると、病状には変化がみられず、長続きすることもあります。くすりは決まった十分な量を飲むことが重要です。
抗うつ薬を服用すると、はじめに軽い副作用がでることがあります。しかし、しばらくすると自然になくなります。副作用が長く続く場合や、気になる場合は医師に相談してください。
また、くすりの服用初期や増量後に、不安、興奮、怒りっぽくなる、何か不愉快な気分、などの症状があらわれることがありますので、このような場合にも医師に相談してください。
抗うつ薬は突然、服用を中止すると頭痛やめまい疲労感、不安感などの症状があらわれることがあります。服用を中止するときは、ゆっくり時間をかけて飲む量を減らしていきます。
