つづける~回復してきたころのサポート~

症状の波を気にしすぎない

※プルメリアの花言葉は「陽だまり」です。

監修:名古屋大学大学院 医学系研究科
精神医学・親と子どもの心療学分野 教授
 尾崎 紀夫 先生

うつ病では午前中は抑うつ気分が強くても、お昼から夕方にかけて徐々に抑うつ気分が軽くなってくる“日内変動”を示す場合があります。このような“日内変動”を示す場合は、午後から気分が軽くなり、「これなら職場に復帰できる目途も立つ」と思い寝床についたのに、翌朝起きてみると、また気分がすぐれない・・・。「うつ病が悪化してしまったのか・・・」と、患者さんだけでなく、ご家族の方までがっかりされる場合があります。

また、日内変動に加えて、日によっても調子の波が起こりがちですが、うつ病が回復していく過程では、避けて通れない道のりといってもよいものです。患者さんが気にしているようであれば、「波に振り回されず、焦らずに一歩ずつ進んで行こうね」と声をかけてあげてください。

上記の症状の他にも気になる症状があらわれた場合は、医師または薬剤師にご相談ください。

職場への復帰のシミュレーションをしてみましょう!

もともと仕事をしていた患者さんがうつ病のために休職した場合、「どのようにして職場へ復帰したらよいのか」について自分ひとりで考えていると、職場復帰がとても大変なことのように思えてきます。ご家族が医師や会社の方と連携をとりながら、患者さんへの負担が少ない方法で復帰を進められるようにサポートしてあげてください。

シミュレーション例

  • STEP 1「そろそろ、職場復帰を考えましょう」と医師にいわれる。

  • STEP 2うつ病になった当時のことを少し整理しておく。

    うつ病になってしまったときの状況を振り返っておくことが大切です。
    どのような状況で調子を崩してしまったのかを確認し、復帰したあとに、また同じ様な状況が起こったとき、どのような対処方法が可能なのかを検討しておきます。例えば、いくつかの問題が重なっていたなら、「優先順位をつけて重ならないようにする」、ひとりで抱え込んでいた場合は「周囲と相談して、抱え込まないようにする」、といった対処方法です。

  • STEP 3可能なら、患者さんと職場の関係者(産業医の先生や上司など)と医師で復帰のための話しあいの機会をもつ。

    医師が職場の関係者と直接話をすることで、復帰したあとの職場状況の確認ができます。「リハビリ出勤が可能か」、「半日勤務からスタートできるか」など職場の状況を知ることによって、復帰する前の治療目標を立てることが可能になります。また、医師の意見を参考に、職場の方による復帰支援を組み立てることもできます。
    最近は、職場でリハビリ出勤などの対応がない場合でも、職場復帰に向けてリハビリを行える施設もあります。

  • STEP 4可能であれば、もとの職場に復帰することを前提にする。

    「今までいた職場が自分にあわないからうつ病になった」という考え方は、うつ病により物事のとらえ方が極端に否定的になっていた場合が多いようです。「今までの職場は自分にあわないところもあるが、仕事としてやれる部分もあるし、仕事仲間として支えてくれる人もいる」という考え方の整理をして、もとの職場で働けることが、そのあとの患者さんにとっても理想的です。
    違う会社や部署に復帰しても、そこでの人間関係や職場環境があうかどうかはわからず、新しい職場に適応するためには相当なエネルギーが必要となるため、さらに大きな負担となる場合もあります。

  • STEP 5実際に会社で働き出す。

    しばらく休んでいる間に、状況は変化しています。最初の1ヵ月は「職場の状況がわかること」、そのために「周囲の人に話を聞くこと」を目標にしましょう。また、職場の状況がわかったうえで、仕事をやりはじめたら、6か月かけて本来の自分のペースに戻す気持ちで少しずつ増やしてください。また、少しずつ仕事を増やしていく中で「今は何をやり、何はやらないのか」という優先順位をつけるようにしましょう。
    何より、ひとりで抱え込まずに、周囲の人と相談しながら進めていくことが大切です。