うつ病に関するQ&A

診断後及び治療中について

※プルメリアの花言葉は「陽だまり」です。

監修:産業医科大学 名誉教授 中村 純 先生

Q

うつ病と診断されました。会社に知らせなくてはいけないのでしょうか?

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A

うつ病に対しての世間の理解はいまだ十分とはいえませんが、うつ病を隠すことで、周囲の人に「やる気がない」「なまけている」と非難されてしまうこともあります。

また、周囲の目を気にすることでストレスがよけいにたまることも考えられます。家族はもちろん、職場の同僚や友人などにはできるだけ病気であることを話し、治療に向けてサポートを受けるほうがスムーズに治療が進みます。

Q

うつ病になると仕事をやめなくてはいけないのでしょうか?

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A

うつ病はがんばり過ぎて、こころもからだも疲れきった状態です。

うつ病の治療は「十分な休養」と「くすりによる治療」という2つの柱で進められます。また、考え方などを見直す「精神療法」を組みあわせた治療が行われることもあります。十分な休養は、うつ病の治療でもっとも大切なものです。まずはゆっくりと休むことで、疲れきっているこころとからだをリフレッシュさせます。この期間は、家で何もしないでゆったりとして過ごすことが大切です。仕事をやめることは必ずしも必要ではありません。

Q

抗うつ薬にはどんな副作用があるのでしょうか?

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A

一般に抗うつ薬の飲みはじめには吐き気などの副作用があらわれることもありますが、やがておさまってきます。

また、飲みはじめ(多くは2週間以内)やくすりの増量に伴って、不安、イライラ・ソワソワ、興奮しやすくなる、ちょっとしたことで怒りっぽくなるなどの症状があらわれることもあります。これらは一過性のもので、医師に相談することで対応が可能です。それぞれのくすりによって少しずつ副作用の種類が異なりますので、あなたの飲むくすりの副作用について、医師に聞いてみてください。

Q

くすり以外の治療を希望しているのですが。

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A

うつ病の治療は「十分な休養」と「くすりによる治療」という2つの柱で進められます。

また、考え方などを見直す「精神療法」を組みあわせた治療が行われることもあります。うつ病は気のもちようではなく、脳の病気ですので、くすりを飲むことも大切な1つの治療法です。くすりの副作用など、心配なことがあれば、医師に相談してみてください。

Q

季節によってうつ病の症状が変わるのはなぜでしょうか?

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A

うつ病では、何らかの原因で神経の細胞と細胞の間にあるセロトニンとノルアドレナリンの量が減って、情報がうまく伝わらないために、さまざまな症状があらわれると考えられています。

このセロトニンは昼間に太陽の光を浴びることで、増えることがわかっています。昼間の時間が短くなる秋から冬にかけて、太陽の光を浴びることが少なくなるので、セロトニンの量が少なくなることがあります。そのため、だるさや、やる気が出ない、眠れないなどの症状が強くなることがあります。

Q

最近くすりの種類が増えました。できるだけ数を減らしたいのですが。

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A

抗うつ薬での治療では、少量からはじめ、様子をみながら少しずつ増やしていくのが一般的な方法です。

くすりの量が増えたからといって病気が重くなっているのではありません。「くすりをたくさん飲むのは怖いから」と決められた量より少ない量のくすりを飲み続けていると、病状が改善せず治療が長びくこともあります。くすりは決められた量をきちんと飲むことが重要です。くすりのことで心配なことがあれば、医師に相談してみてください。

Q

くすりの副作用で太ることが気になります。

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A

抗うつ薬にはいろいろな種類があります。

体重の増加が少ないくすりもありますので、まずは医師に相談してみてください。

Q

うつ病のくすりの種類を知りたいのですが。

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A

現在主に使用されている抗うつ薬は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)、NaSSA(ノルアドレナリン作動性、特異的セロトニン作動性抗うつ薬)、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬の5種類です。

Q

うつ病と診断されましたが、なかなか納得できません。

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A

うつ病の患者さんは、なかなか自分がうつ病だと認めたくないものです。「ちょっと調子が悪いだけだ」と無理をして、がんばりすぎてしまうことが少なくありません。

また、うつ病を治療しないで放っておくと、ほかの病気と同じように、うつ病の症状も次第に悪化していきます。状態が悪くなってから治療をはじめても、治療の成果がなかなか上がらず、治療期間も長くなってしまいます。うつ病でも他の身体疾患と同じく早期発見・早期治療することが予後によい影響を与えます。なかなか納得できない場合は、別の医師の診断を仰ぐこと(セカンドオピニオン)も可能です。ひとりで悩まずに、ぜひ医師に相談してみてください。

Q

うつ病の治療をはじめました。できるだけくすりは飲みたくないのですが。

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A

精神科のくすりに抵抗があるのかもしれませんが、うつ病も他の病気と同じようにくすりによる治療で、からだの中のバランスを治していくことが必要です。

ゆっくり休養をとり、くすりによる治療を行うことで、日常生活の支障も軽くなってきますので、医師がくすりを処方した場合は、指示にしたがって飲んでください。ただし、回復を実感するには少なくとも1~2週間は必要です。

Q

いつまでくすりを飲み続ければ治るのでしょうか?

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A

症状がよくなっている場合でも、自己判断でくすりの量を減らしたり、やめたりすると病気がぶり返すおそれがあります。医師の指示にしたがってきちんとくすりを飲んでください。

最近は、うつ病が完全によくなったとしても約6か月間は継続して服用していただくことが多くなっています。

Q

うつ病治療を続けていますが、症状や気持ちを医師にうまく伝えることができません。

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A

日常生活で感じたことや、困っている症状、悩んでいることについてのメモ(日誌)を用意してみてはいかがでしょうか。

あなたなりの言葉で大丈夫です。受診の際は、医師と一緒にメモ(日誌)の内容を確認しながら話をしてみてください。

Q

うつ病の症状以外の悩みについて医師に質問してもよいのでしょうか?

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A

うつ病ではさまざまなからだの症状がみられることがあります。また、生活習慣や環境の変化も影響することがあります。

うつ病の症状以外の悩みでも、うつ病と関連があるかもしれませんので、ご自身で判断せず、気になることがあれば、まずは医師に質問してみてください。

Q

うつ治療をうまく続けていくコツはあるのでしょうか?

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A

うつ病は、治療をはじめてすぐに改善することを目指そうとすると、焦る気持ちにつながり、逆に回復が遅れてしまうこともあります。

また、回復の過程では、よくなったあとで少し逆戻りすることもあります。「焦らず、じっくりと」治療に取り組んでいくことがうつ治療のコツです。

Q

症状がよくならないので、病院を変えたいのですが。

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A

「症状がよくならない」と感じていることを、まずは医師に相談してみましょう。

うつ病の回復過程では、よくなったあとで少し逆戻りすることもよく起こります。また、抗うつ薬には、飲みはじめてすぐには効果があらわれず、しばらく続けていると徐々に症状が改善されてくるという特徴があります。よくならない症状について、医師と話しあい、「焦らず、じっくりと」治療に取り組んでいきましょう。

Q

うつ病の治療中に妊娠しても問題ないでしょうか?

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A

うつ病のさまざまな症状の治療に使われるくすりの中には、胎児に影響を与えたり、お母さんの気分を変えたりするものがあります。

うつ病治療中の妊娠に関しては、医師に相談してください。

Q

くすりが高くて困っています。医療費の補助制度などはあるのでしょうか。

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A

医療費の額や世帯の収入などに応じて、通院の公費負担などの医療費の補助制度があります。

該当するかどうか、加入している健康保険組合等や市町村の担当窓口に相談してみてください。

Q

うつ病と診断され、「まさか、自分が・・・」と大きなショックを受けました。

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A

うつ病は、今までがんばり過ぎてエネルギーを使い果たしてしまった状態ともいえます。そのため、気力や体力も落ちていますから、今までできていたことも、思うようにできなかったりしているかもしれません。

ひとりで悩まず、医師に相談してみましょう。

Q

うつ病は本当に治る病気なのでしょうか?

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A

一般にうつ病は比較的予後のよい病気と考えられています。しかし、治療を受けなかったり、治療が不十分だったりすると、再発したり慢性化しやすいという一面もあります。

うつ病の治療は「十分な休養」と「くすりによる治療」という2つの柱で進められます。また、考え方などを見直す「支持的精神療法や認知行動療法などの精神療法」を組みあわせた治療が行われることもあります。

くすりの種類でも異なりますが、ひとつのくすりをきちんと服用すれば、約6~7割程度のうつ病に有効といわれています。また、最初に服用したくすりが効かなかった場合、次のくすりが有効な患者さんは数10%といわれています。
十分な休養をとって、くすりも飲みながら、ストレスに対処する方法を身につければ、うつ病は十分に治る病気だといえます。

※Rush, A. J. et al. :Am J Psychiatry 163 (11) : 1905, 2006 [L20080117065]

Q

抗うつ薬には依存性があると聞いたことがあり心配です。

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A

抗うつ薬には依存性はありません。調子がよいからといって、自己判断で急にくすりを飲むのをやめてしまうと、再発し、再度治療をはじめるケースもあります。

医師の指示にしたがって、治療を続けることが、早期の回復と再発防止につながります。

Q

うつ病のくすりの副作用に悩んで、飲みたくないのですが。

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A

くすりの種類にもよりますが、吐き気、便秘、下痢、眠気、尿が出にくい、口が渇くなどの副作用があらわれることがあります。

これらの副作用はくすりの飲みはじめに多くみられますが、次第におさまってきます。副作用がなかなかおさまらないようであれば、抗うつ薬を減量したり、副作用をおさえるくすりを投与したりする方法をとりますので、そのことを医師に相談してみましょう。

Q

現在治療中のくすりの量を増やすようにいわれました。これは状態が悪くなっているということでしょうか?

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A

うつ病のくすりの中には、徐々に量を増やして飲んでいくものがあります。これは飲みはじめに副作用が出やすいことから、少ない量からはじめて、副作用をさけるためです。

したがって、くすりの量を増やすことは、一概に状態が悪くなっているということではなく、治療の過程の1つと言えます。