とりたい栄養素と食材

どんな栄養素と食材をとったらいいの?

※プルメリアの花言葉は「陽だまり」です。

監修:国立精神・神経医療研究センター
 功刀 浩 先生

参考文献:功刀 浩、今泉 博文:
食事療法はじめの一歩シリーズ
国立精神・神経医療研究センターの
医師と管理栄養士が教える
うつ病の毎日ごはん 女子栄養大学出版部 2015

うつ病患者さんに望ましい栄養素には、ビタミン(B12や葉酸など)、ミネラル(鉄、亜鉛など)、必須アミノ酸(トリプトファンなど)、脂肪酸[ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタンエン酸(EPA)]などがあげられます。ここでは、そうした栄養素がとれる食材をご紹介します。
ただし、これらの食材も、望ましいからといって食べ過ぎると、カロリーオーバーになったり栄養がかたよったりする場合があるので、バランスよく適切な量を摂取することが大切です。

ビタミン

ビタミンD、B1、B2、B6、B12、葉酸などのビタミンの不足は、うつ病の発症や経過に悪影響を及ぼすといわれています。これらのビタミンは野菜やきのこ、レバー、肉、魚介類などの食材で補給できます。

ビタミンD きのこ類、魚介類
ビタミンB1 豚肉(赤身)、ウナギ、玄米、ナッツ
ビタミンB2 レバー、ウナギ、納豆、卵
ビタミンB6 刺身、レバー、鶏肉、納豆、にんにく、バナナ
ビタミンB12 貝類、レバー、のり
葉酸 葉もの野菜、納豆、レバー

ミネラル

鉄や亜鉛などのミネラルも、不足するとうつ病と関連する可能性があるといわれています。ミネラルは、肉や魚、卵などから摂取できます。また、これらの食材と一緒に野菜をとると、野菜に含まれるビタミンAやCが鉄や亜鉛の吸収を促進します。

レバー、赤身肉、魚介、海藻、青菜類、納豆
亜鉛 カキ、ウナギ、牛肉、レバー、大豆製品、貝類

アミノ酸

トリプトファンやメチオニンといった必須アミノ酸が不足すると、気分が落ち込みがちになります。必須アミノ酸は、肉や魚、卵、大豆、牛乳などに含まれる良質なタンパク質から摂取するとよいでしょう。

トリプトファン 牛乳、乳製品、肉、魚、ナッツ、大豆製品、卵、バナナ
メチオニン 牛乳、乳製品、肉、魚、ナッツ、大豆製品、卵、野菜(ほうれん草、グリーンピース)
チロシン 牛乳、大豆製品、魚(カツオ節、しらす干し)、乳製品、肉、卵、アボカド

脂肪酸

ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタンエン酸(EPA)などの脂肪酸は「n-3系不飽和脂肪酸」といわれ、魚に多く含まれることが知られています。DHA、EPAは脳などの中枢神経系で重要な役割を果たしています。

DHA、EPA 魚(マグロ、ハマチ、イワシ、ブリ、サバ、サンマ、サケ、ウナギなど)

その他

ストレスは腸内環境とも関係があり、腸内環境を整えるとストレスが減るといわれています。腸内環境を整える食品・栄養素は、乳酸菌やビフィズス菌、オリゴ糖、食物繊維で、乳酸菌やビフィズス菌はヨーグルトや乳酸菌飲料で、食物繊維は野菜などで摂取できます。
また、健康な方はうつ病患者さんに比べて緑茶をのむ頻度が多いという調査結果もある1)ことから、うつ病患者さんは緑茶を飲むとよいでしょう。緑茶にはカテキンやテアニンという成分が含まれており、免疫力を高める効果が報告されています2)

参考文献
1)古賀賀恵 他.:緑茶、コーヒーを飲む習慣と大うつ病との関連. New Diet Therapy 29: 31, 2013
2)Bukowski JF et al.:Human gamma delta T cells recognize alkylamines derived from microbes, edible plants, and tea: implications for innate immunity. Immunity 11: 57, 1999