パニック障害患者さんのご家族の方へ

パニック障害かな?と思ったら

監修:金沢大学 名誉教授
アイリスメディカルクリニック
院長 越野 好文 先生

理由のわからない発作をそのままにしないでください

パニック障害は今まで健康で普通に生活していた患者さんに、突然、何のきっかけもなく動悸、息切れ、呼吸困難、めまい、吐き気などのパニック発作が起こり、これが何回も繰り返される病気です。発作そのものは10分以内にピークになり、30分から長くても1時間以内でおさまります。からだの病気を疑って病院で検査を受けても「異常なし」と言われ、なぜ、こんな発作がつづくのかわからずに不安が常につきまとうようになります。

パニック発作(13項目のうち、4つ以上の症状が同時に起こる)

  1. (1)心臓のドキドキ(動悸・心拍数の増加)
  2. (2)発汗
  3. (3)からだの震え
  4. (4)息切れや、息苦しさ
  5. (5)のどに何かつまったような窒息感
  6. (6)胸の痛み、胸のあたりの不快感
  7. (7)吐き気、おなかのあたりの不快感
  8. (8)めまい、ふらつく感じ、気が遠くなるような感じ
  9. (9)今、起こっていることが現実ではないような感じ、自分が自分でないような感じ(離人症状)
  10. (10)コントロールを失うこと、または気が狂ってしまうのではないかという恐れ
  11. (11)このまま死んでしまうのではないかという恐れ
  12. (12)からだの一部がジンジン、ビリビリとしびれる感じ
  13. (13)寒気、または熱っぽい感じ

※参考:高橋 三郎ほか:DSM-IV-TR 精神疾患の分類と診断の手引 新訂版 医学書院 171, 2003

パニック発作の状態

  • 病院で心電図や血圧などを検査しても身体的な異常はみつからない
  • 多くの場合、10分以内にピークになり、30分から長くても1時間以内でおさまる
  • 発作は何回も繰り返す

発作の後、心配や不安、発作へのこだわりが強くありませんか?

パニック障害はパニック発作に加え、「発作がまた起きるのではないか…」と発作の再発を恐れ、いつもいつも強い心配や不安、発作へのこだわりがつづくという特徴があります。この心配や不安を予期不安(よきふあん)といいますが、患者さんを苦しめて、日常生活に大きな支障をきたします。病院でパニック障害と診断するときには、この予期不安があるかどうかが重要な要素になります。予期不安は自覚しにくい場合もありますが、いつも一緒にいるご家族なら毎日の生活の様子の変化に気づけるのではないでしょうか。以前よりも神経質になっていたり、なんとなく落ち着かない様子であったり、心配がつづいているようであれば、「最近、何かあった?」とたずねてみてください。

避けている場所や状況がないか確認してみてください

予期不安が強くなると、以前に発作が起きた場所や、発作が起きたときにすぐに逃げ出したり助けが得られない状況になることを避けるようになります。これを回避行動といいます。例えば、これまで普通に家にいた奥さんが、日中にひとりで家にいることを嫌がったり、スーパーのレジに並ぶのが不安で買い物ができなくなったりすることがあります。また、すぐに降りられる自分の車には乗れても、公共のバスなどには乗れなくなることがあります。電車も、各駅停車には乗れても、停車駅の少ない特急や急行は避けることもあります。発作への不安から、日常生活に変化がみられるときは、「気にしすぎだよ」と流さずに、きちんと医師の診断を受けるように勧めてください。

パニック障害の患者さんが避ける場所や状況(例)

  • 人ごみにいること
  • エレベーターの中
  • トンネルの中
  • ひとりで留守番すること
  • ひとりで外出すること
  • 会議に出席すること
  • スーパーなどの行列に並ぶこと
  • 公共の乗り物に乗ること(電車、バス、飛行機など)

上記の症状の他にも気になる症状があらわれた場合には、医師または薬剤師にご相談ください。

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