パニック障害患者さんのご家族の方へ

受診を勧めるときには

監修:金沢大学 名誉教授
アイリスメディカルクリニック
院長 越野 好文 先生

病院へ受診することを勧めてください

パニック障害は脳の働きが一時的に乱れることで起こる病気と考えられています。気のもち方や根性で治すことはできません。医学的な治療が必要です。治療しないと、発作に対する不安から外出できなくなるなど徐々に日常生活が困難になっていきます。

発作に対する不安が強いため、混雑していたり、長く待たなくてはならない病院へ行くことを拒否するかもしれません。受診を促すひとつの方法として、病院には医師がいるので、もし発作を起こしても安心だからと説明してください。
また、人ごみや乗り物を避けている場合は、歩いて行ける近所の病院を提案するのもよいでしょう。
いざというとき助けてくれる人が一緒にいてくれるのは、患者さんにとって心強いことです。
そして、「この道は空いていて歩きやすいから」などと、具体的な道順や移動方法などを話し、患者さんが不安を感じることがない方法を一緒に考えるのもよいことです。

病院にはできるだけ付き添ってください

病院に付き添うことは、2つの大きな意味があります。
ひとつは、パニック障害では強烈な発作に襲われるので、そのときの状況をきちんと医師に伝えるのは本人には難しいため、どんな症状があったかを医師に伝えることをサポートするためです。発作に対する不安から日常生活にどのような変化がでているかについての、ご家族の客観的な情報が診断の役に立ちます。
もうひとつは、どのような治療が行われ、回復までにはどのくらいの期間が必要なのかについて、ご家族も一緒に医師の説明を受けておくためです。患者さんは「自分は重大な病気に違いない」という思いが消えないこともあり、医師の説明を素直に受け止められないこともあります。
ご家族が病気のことや、治療の必要性について正しく理解しておくことが、治療をスムーズに進めるうえで重要です。

パニック発作が起きたら、落ち着いてサポートしてあげてください

突然パニック発作が起こると、患者さんだけでなく、まわりの人も不安になりあわててしまいます。平常心を失うと、発作はさらに悪くなります。そこで発作を悪化させないためには、ご家族の冷静な対応が重要です。
パニック発作そのものは10分以内にピークになり、30分から長くても1時間以内でおさまります。また、パニック発作で死ぬことはありません。パニック発作が襲ってきたら、「大丈夫、しばらくでおさまるからあわてないでね」と優しく声をかけてあげてください。そのほかにも次のようなサポートがあります。

発作のときの周囲の対応

  • 呼吸が浅く、過呼吸になっていたら、ゆっくりと腹式で呼吸するように指導する。
  • 窮屈な衣類を緩める(呼吸をしやすくするのと、からだの熱を逃がすためです)。
  • 室内や車内のときは、窓をあけて外の空気を入れる。
  • 太陽の下のときは、日陰に移動する(暑くて湿度の高いモワッとした空気はパニック発作を引き起こしやすいのです)。

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