パニック障害患者さんのご家族の方へ

治療を始めるときは

監修:金沢大学 名誉教授
アイリスメディカルクリニック
院長 越野 好文 先生

治療について正しく理解してください

くすりによる治療

パニック障害は治療しないと徐々に悪化していきます。治療の基本は抗うつ薬、抗不安薬などのくすりを使って、完全にパニック発作をコントロールすることです。はじめてパニック発作が起きてから2~3ヵ月以内にきちんと治療を受けることが大切です。パニック障害を長びかせないためには予期不安や広場恐怖がまだ強くなっていない時期に、きちんと治療を開始することが重要です。

認知行動療法

くすりと組み合わせて認知行動療法を行うこともあります。認知療法では、パニック発作で死ぬかもしれないなどと過剰に心配する認知の誤りを修正します。発作はつらいけれども生命の危険はないことを理解してもらいます。さらに、発作に関係した場所や状況を避ける回避行動が強い場合には、患者さんが避けている状況に少しずつ挑戦していきます。この治療方法を行動療法のエクスポージャといいます。

こころとからだがリラックスできる環境を整えてください

ストレスはパニック発作を悪化させる原因になります。
ストレスというと職場や家庭環境など、精神的なものがイメージされますが、実は気候の変化や肉体的な疲労など身体的なストレスもパニック発作に関係します。また、夏の蒸し暑い時期に、パニック発作が起こりやすいです。このほか、睡眠不足や過労も体力を低下させ、パニック発作を起きやすくさせます。
パニック障害の治療で大切なことは、できるだけパニック発作を起こさないようにすることです。
そのため、患者さんがリラックスして治療に取り組める環境を整えてあげてください。

できるだけ、そばにいてあげてください

“一緒にいる”というのは、単に物理的に身近にいるということではなく、精神的に一緒にいるということです。
例えば、パニック障害のために家にひとりでいることが不安だという場合は、「仕事に行ってくるけど、不安になったらいつでも電話してきていいから。お隣の奥さんにもお願いしておいたから、何かあれば遠慮なく言っていいからね」などと患者さんが抱える不安を受け入れてください。困ったときはいつでもその不安に対処する用意をしておき、そのことを伝えておいてください。
一番身近なご家族が病気の辛さをわかってくれ、見守ってくれていると感じることで、患者さんの安心感は大きくなります。

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